東京電力エリア(東京23区、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、群馬県、茨城県、山梨県、静岡県の富士川以東)において
電気自動車(EV/PHV)を自宅で充電する際により安価な電気料金プランを利用できる電力会社には以下の8社が挙げられます。
- 東京電力エナジーパートナー
- Looopでんき
- シン・エナジー
- 熊本電力
- HISでんき
- 丸紅新電力
- 出光昭和シェル
- まちエネ
8社の中でどれが最も安くてお得になるか?は、諸条件によって異なります。
そこで条件を大きく3つに分けた上で、おすすめの電気料金プランをご案内します。
南部修一 | 特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会 小売電気アドバイザー 認定 第1808005号 太陽光発電アドバイザー 認定 第1820021号 株式会社サウスフィールドプランニング 代表取締役 ※1974年生まれ 電力自由化、太陽光発電、再生可能エネルギー関連情報の広報を担当 |
契約容量60アンペア(6kVA)以下の電灯契約
おすすめ最安プラン
契約容量が40~60アンペアのオーソドックスな従量電灯プラン(従量電灯BやスタンダードSなど)を契約している方には、以下の新電力プランがおすすめです。
40アンペアなら『熊本電力』、50・60アンペアなら『Looopでんき』または『HISでんき』が最安料金になります。
(電力使用量は月400kWh以上で想定)
電気料金単価の比較表
区分 | Looopでんき (おうちでんき+EV割) | HISでんき (プライム) | 熊本電力 (おうち電気B) | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | 30A | 0円 | 契約不可 | 契約不可 |
40A | 契約不可 | 915.2円 | ||
50A | 715円 | 1,144円 | ||
60A | 858円 | 1,372.76円 | ||
1kWhあたり単価 | 200kWhまで | 25.4円 | 23.54円 | 23.83円 |
201~300kWhまで | 17.88円 | |||
300kWh超 | 23.85円 |
夜間の電気が安くなるプラン
「夜間の安い単価で電気自動車を充電したい」というニーズも当然あると思います。
しかし東京電力EPの場合、夜間単価の安いオール電化プランはエコキュートや電気温水器を設置している電化住宅でないと契約できません。
電化住宅ではない場合、東京電力の夜トク8・12を勧められることもあるようですが、じつは夜トク8・12の夜間単価は大して安くはありません。
(単価比較表は後ほどご紹介します)
時間帯によって電気料金がお得になるプランをお探しの方には、東電の夜トクプランよりも『シンエナジー』の【夜】生活フィットプランや【昼】生活フィットプランの方がおすすめです。
① 基本料金が割安で、単価の安い夜間時間が比較的長い(22時~翌8時の10時間)ので、安い単価でEVを充電するための時間は十分にあります
② 【夜】生活フィットプランの場合、単価の高くなる昼間時間は平日の9時~18時に限られるため、仕事などで平日昼間は不在になることが多ければ価格的なデメリットはありません(土日祝日の昼間時間はライフタイムの安い単価が適用されます)
③ 平日昼間の在宅が多いようなら【昼】生活フィットプランを選ぶと、夜間だけでなく平日の昼間もお得な単価で充電することができます。
シンエナジーの生活フィットプランは東京電力の夜トク8や夜トク12と比べて、単価と時間設定どちらも有利なプラン内容になっています。
その他、無条件で利用できる夜間単価の安いプランには、丸紅新電力「ナイトおトクプラン」もあります。
ですが、ナイトおトクプランは単価の安い夜間時間が短いため(午前1時~6時までの5時間)、EVを安価に充電するためには時間が少し足りないのが残念なところです。
電気料金単価の比較表
区分 | 東京電力EP (夜トク8) | 丸紅新電力 (ナイトおトクプラン) | シン・エナジー (昼生活フィットプラン) | シン・エナジー (夜生活フィットプラン) | |
---|---|---|---|---|---|
基本料金 | 30A | 429円 | 572円 | 471.9円 | |
40A | 643.5円 | 814円 | 629.2円 | ||
50A | 643.5円 | 1,100円 | 786.5円 | ||
60A | 858円 | 1,386円 | 943.8円 | ||
1kWhあたり単価 | デイタイム | 32.74円 | 25.8円 | 21.05円 | 33.05円 |
ライフタイム | 26.09円 | 26.09円 | |||
ナイトタイム | 21.16円 | 17.78円 | 20.98円 | 17.98円 |
シン・エナジーは平日9時~18時、丸紅新電力は毎日6時~翌1時、夜トク8は毎日7時~午後11時
シン・エナジーは毎日22時~翌8時、丸紅新電力は毎日1時~6時、夜トク8は毎日午後11時~翌7時
平日8時~9時と18時~22時、土日祝日の8時~22時
EV向けプランはじつはお得ではない?
『まちエネ』や『出光昭和シェル』などには、EVやPHVのオーナー向け割引プランもあります。
ただ、こういったEV向けプランの料金単価はとくに安くはなく、メリットも大したことはありません。
例えば『まちエネ』には三菱の電気自動車を新規購入された方限定で、午前1時~5時の4時間のみEV充電の相当分が無料とみなされるプランがありますが、
4時間では充電時間は足りないため、結局は高い単価で充電を補わなければいけません。
『出光昭和シェル』では電気自動車オーナーは月200円引きになるだけの話です。
電気料金単価の比較表
区分 | まちエネ (毎晩充電し放題プラン) | 出光昭和シェル (Sプラン) | 東京電力EP (スタンダードS/L) | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | 1KVAにつき 286円 | 1KVAにつき 286円 | 1KVAにつき 286円 | |
1kWhあたり単価 | 120kWhまで | 19.88円 | 19.88円 | 19.88円 |
121~300kWhまで | 26.48円 | 24.44円 | 26.46円 | |
300kWh超 | 30.57円 | 26.18円 | 30.57円 |
エルピオでんき | シン・エナジー | 東京ガスの電気 | リミックスでんき |
Looopでんき | あしたでんき | まちエネ |
契約容量7kVAまたは6KW以上の電灯契約
契約容量が7kVA以上の場合、東京電力EPのオーソドックスな電灯契約は「従量電灯C」または「スタンダードL」になります。
東電EPの単価設定はかなり高めなので、シン・エナジーの『プランC』またはLooopでんきの『ビジネスプラン+EV割』を利用しましょう。
どちらの電気代も東電EPと比べて15%~20%近く安くなります。
なお、6kVA超のLooopでんきの単価は若干高くあたるため、どちらかといえばシン・エナジーをおすすめします。
電気料金単価の比較表
区分 | Looopでんき (ビジネスプラン+EV割) | シン・エナジー (プランC) | 東京電力EP (スタンダードL) | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | 0円 | 1KVAにつき 281.66円 | 1KVAにつき 286円 | |
1kWhあたり単価 | 120kWhまで | 26.5円 | 19.78円 | 19.88円 |
121~300kWhまで | 20.57円 | 26.46円 | ||
300kWh超 | 22.9円 | 30.57円 |
エコキュートや電気温水器のある電化住宅の場合
自由化前の旧オール電化プランを契約している場合
2016年の電力自由化前から東京電力の「電化上手」や「おトクなナイト8・10」を契約している方は、そのままの継続利用で問題ないでしょう。
旧オール電化プランから他社プランへの乗り換え検討は、現時点ではほとんど必要ありません。
2016年4月以降のスマートライフS/Lの場合
東京電力EPのスマートライフS/Lは、単価の安くなる時間帯は午前1時から6時までの5時間に限られるため、電気自動車をフル充電しようと思うと単価の安い時間帯だけでは足りません。
そこでオススメするのがHISでんきの『ぜんぶでんき東京』です。
スマートライフS/Lから『ぜんぶでんき東京』に乗り換えると、夜間単価は約30%安くなり(1kWhあたり12.48円)、さらに夜間時間が23時~7時までの8時間に延長されます。
ただし『ぜんぶでんき東京』は、唯一の欠点として夏季(7月~9月)の10時~17時の昼間単価がかなり高くなります。(1kWhあたり35.5円)
ぜんぶでんき東京に乗り換える場合は、7月~9月の昼間はなるべく節電を意識するか、もしくは太陽光発電システム等の導入をお勧めします。
なお、スマートライフS/Lからの乗り換えで確実に電気代がお得になる新電力プランには、九電みらいエナジーの『Nプラン』や丸紅新電力の『ナイトおトクプラン』もあります。
詳しくは以下のページを参考にしてください。
- 40~60アンペアの電灯契約の場合
- 契約容量7kVA以上の電灯契約の場合
- オール電化プラン(スマートライフS/L)の場合
EV/PHVオーナー向けの新電力 一覧 | オール電化向けの新電力会社 一覧 |